5分で理解する先物取引

分かるようで分からない人はまだいると思うので、何か商品で例えてみましょう。

普段から車によく乗っているAさんBくんがいて、最近、ガソリンが1リットル140円まで値段上がっちゃって、困るわね、という話をしていました。

Aさんは、『でも、これからまだまだ上がるんじゃない?180円くらいまで行くんじゃないかしら』と言うと、
Bくんは、『いやぁ、少し前までは110円前後だったし、しばらくしたらまた下がるんじゃないかな』と言いました。

じゃぁ、どっちが当たるか勝負しようじゃないの、ということになり、二人はガソリンを扱っているCさんの所へ行って、ガソリン価格が上がると思っているAさんは、1リットル140円の時点で、ガソリンを半年後にその値段で買います!という契約をして、ガソリン価格が下がると思っているBくんは、ガソリンを半年後に140円で売ります!という契約をしたとします。

そこで、Cさんは、『うちの店では100リットルのドラム缶ごとしか販売してないから、それを何缶買うか決めてくれ』と二人に言いました。
二人とも10缶ずつすることにしました。つまり、1000リットル分、14万円分のガソリンを取引することにしたのです。
でも、今、14万円も持っていません。

するとCさんは、『今すぐガソリン代はいらないよ。半年後買い取る場合は用意しといてくれ。でも、この契約がお互いなかったことにするのはなしにしてほしいから、契約の証として1万円ずつ払ってくれれば良いよ』と言うので、二人ともCさんに1万円ずつ払い、契約が成立しました。

そして…、3ヶ月後に180円まで上がったとします。半年経っていないけど、Aさんは目標価格が来たので、どうしようかCさんに相談したら、『選択肢は3つあるよ。今、世界的にオイルの価格が上がってるから、もっと上がるのを期待して、待っていても良いし、目標価格になったからもう売りたいと思えば、18万円になっているから、その差額の4万円分をお金でもらっても良いし、実際にガソリンを14万円で買い取ってくれても良いよ』とCさんは言いました。

Aさんは、『まだ上がりそうねぇ。でも当初の目標価格まで来たんだし、欲を出しても仕方ないわね。それに1000リットルも置いておく所がないし…』と思い、Cさんのお客さんで18万円なら買いたいという人がいるらしいので、その人に売り、差額分をもらうことにしました。
そして、Cさんから最初に渡した1万円と合わせて5万円を受け取り、見事利益を得ました。AさんはCさんに間に入ってくれたお礼に、と1000円払いました。

同じ頃、Bくんは、ヨミが外れてしまって凹んでいましたが、半年後までまだ期間があるので、これから下がることを期待してもう少し待つことにしました。その後…、200円まで上がった後、ようやく下がり始め、5ヵ月後に160円になったとします。

Bくんは『自分が思っていた以上に一度値段が上がってしまったし、もうこれ以上下がらないかも…』と思ったので、Cさんに相談に行きました。
Cさんは、『一時期、産油国でトラブルが続いて供給が減ってしまってね、随分値段が上がってしまったけど、やっと下がり始めたから、後1ヶ月あるから下がるのを待っても良いし、何なら一部か、もしくは、全部を買い取るっていう手もあるよ』
と言いました。

Bくんは、『どうせ使うものだし、100リットル分だけでもガソリンを買い取ろうかなぁ。でも、やっぱり置いておくこともできないしなぁ』と思い、すべて契約解除することにしました。
そうすると、実際には16万円で売買されているものを14万円で売る契約をしてしまっているので、14万円なら買っても良いよと言う人を見つけて、差額の2万円を支払って買ってもらうことにしました。
最初に契約の証として払った1万円を返してもらい、結果、1万円の損失を出してしまいました。
Cさんに間に入ってもらったお礼にと1000円渡すと、いやいや、かわいそうだし、500円でいいよ、とちょっとまけてもらいました。


これを先物取引の言葉で表していくと、後ほど詳しく説明していきますが、
Aさんは買い契約をしたので、反対売買である「転売(てんばい)」をし、
Bくんは売り契約をしたので、反対売買である「買戻し(かいもどし)」をすることで、
二人とも物の受け渡しをせずお金のやり取りだけで契約解除をする「差金決済」を行ったことになります。

ここで、間に立ったCさんのお店が商品先物取引員、つまり皆さんが取引する会社であり、Cさんは外務員ということになります。
Cさんに契約の証として払ったお金が「委託本証拠金(いたくほんしょうこきん)」です。
取引する際にはこのお金を預けることから始まります。

その時の1リットル140円という値段が市場価格であり、二人が契約した140円の値段のことを先物用語では、「約定価格(やくじょうかかく)」と言います。
また、為替は1銭ずつ値段が変わりますが、ガソリンは先物市場では1リットル当たり1円単位で動きます。
この値動きの単位のことを「呼値(よびね)」と言います。

100リットルごとしか扱ってないというのが「取引単位」で、株でも100株単位とか1000株単位でしか買えないものとかありますね。それです。
それを何缶買うか、というのが取引枚数といって、取引の基本となる取引数量のことで「枚(まい)」と呼びます。
商品先物取引では、株で言う1口2口を1枚2枚と数えます。

そして、立会人になってくれたCさんに最後に払ったのが、取引会社に払う「委託手数料(いたくてすうりょう)」です。
これは、会社によって違いますし、利益を取った場合、損失を出した場合などで違ったりします。


この1連の流れが取引の基本の流れです。なんとなく分かってきましたか??


例でもあげたように同じ値段でも人によって上がると思う人と下がると思う人がいるので、売買が成立するんですね。

この仕組みを利用して、商品の価格変動によるリスクヘッジ(保険つなぎ)が行われており、メーカーや商社などは現物の調達や調整を行うので、生産・販売活動においてなくてはならない市場です。

この先物市場がないと、政情不安で需給バランスが崩れた時や、先進国の経済が大きく動いて為替が急変したときなど、わたしたちはある一定の価格で物を買うことができなくなってしまうんです。

その市場を私たちは、取り扱われているような商品は取引量が大量ですので、現物を売買するのではなく、こうした価格変動を予測しながら、資産運用の手段として活用しているのです。

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